2021年7月5日月曜日

同軸ケーブルを使ったトラップフィルタのシミュレーション、その1

同軸ケーブルを使ったトラップフィルタ、通称YAAトラップやYAAフィルタと呼ばれる高周波フィルタをご存知の方、少なくないのではないでしょうか。無線機からアンテナまでつながる同軸ケーブルの途中にT型コネクタを挿入し、そこから分岐するように別の同軸ケーブルを接続する形で動作させます。簡単な構造で、大きな効果が得られるフィルタです。「YAAフィルタ」や「YAAトラップ」でググるといくつかの解説、図、動画がヒットします。JARLのWebにも例が載っていました。詳しい解説は他の方のページに譲るとして、こんな簡単な回路でフィルタが作れてしまう、その原理は頭の中で理解したような気にはなっていても、シミュレーションしてみると納得度が深まるのではないか、ということで、いままで紹介してきたシミュレータを使って実験してみました。

 いつものシミュレータサイトを開いて、単純な回路を出発点とします。



ソースの周波数とインピーダンス、給電ラインのインピーダンスをアマチュア無線でよく使われている値に変更します。具体的には、周波数を28MHz、インピーダンスを50Ωにします。給電ラインの遅延は100nsecにしておきます。だいたい30mの同軸ケーブル相当になります。同軸ケーブルであれば短縮率を考慮しなければならないのですが、ここでは簡単のために短縮率1.0と仮定します。パラメータ値変更は変更したい部品をダブルクリックすればOKです。さらに、終端抵抗50Ωを追加します。抵抗の追加はDrawメニューのAdd Resistorを選びます。


ベースの回路はこのようになりました。


このモデルのソースは以下の通りです。

ここから
$ 1 1e-12 100.89512123094175 54 5 50 5e-11
171 176 192 496 192 0 1.0000000000000001e-7 50 80 0
w 128 272 176 272 0
w 496 192 544 192 0
w 496 272 544 272 0
r 128 192 176 192 0 50
g 544 272 544 288 0 0
g 128 272 128 288 0 0
R 128 192 96 192 0 1 28000000 5 0 0 0.5
r 544 192 544 272 0 50
ここまで

ご自分で試してみたい場合は、自分のパソコンに、上の10行をコピーして、たとえば、simple28MHz.txtというファイルにしておきます(「ここから」「ここまで」の文字は入れない)。

そして、シミュレータを開き、FileメニューからOpen File...をクリック。simple28MHz.txtを選択すればモデルが読み込まれます。
または、FileメニューのImport From Text...を選択すると、ウィンドウが開きますので、そこに直接コピペしてもよいです。
 
 

次回は、給電ラインの中央に同軸トラップを追加してみます。

 

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